不登校特例校とは
不登校特例校は、通常の学校に通うことが難しい状況にある中学生や高校生に対して、学習や社会経験を提供する教育機関です。不登校の背景にはさまざまな要因がありますが、個別のサポートやカリキュラムを通じて、生徒たちが学びを進めることができる環境を提供しています。
特例校(不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校)
全国にある不登校特例校
全国各地に不登校特例校は存在しています。都道府県によっては複数の不登校特例校が設置されていることもあります。不登校特例校は、教育委員会や地方自治体が設置し、運営しています。各校はその地域の不登校生徒への教育支援を担当しており、個別の特徴や取り組みがあります。
学校名 | 管理機関 | 所在地 | 業務の概要 |
---|---|---|---|
八王子市立高尾山学園小学部・中学部 (平成16年4月開校) | 八王子市教育委員会 | 東京都八王子市 | 不登校児童生徒のための市立小中一貫校。学年を超えた習熟度別ステップ学習や小学校1・2年次における「総合的な学習の時間」の導入、多様な体験活動などを行う。 |
京都市立洛風中学校 (平成16年10月開校) | 京都市教育委員会 | 京都府京都市 | 不登校生徒のための市立中学校。実社会と直結した実践的な体験活動や京都の特性を活かした文化・芸術・ものづくり活動などを行う。 |
星槎中学校 (平成17年4月開校) | 学校法人国際学園 | 神奈川県横浜市 | 不登校生徒に対し、個別指導計画を作成し、習熟度別クラス編成や体験学習等の導入を行うとともに、授業時数を増やして指導を行う。 |
鹿児島城西高等学校 普通科(ドリームコース) (平成18年4月開校) | 学校法人日章学園 | 鹿児島県日置市 | 「産業社会と人間」,「進路研究(自己理解)」等を学校設定科目として設け,不登校状態がそれぞれ異なる個々の生徒に,きめ細かな指導と弾力性を持った教育を提供する。 |
東京シューレ葛飾中学校 (平成19年4月開校) | 学校法人東京シューレ学園 | 東京都葛飾区 | 道徳及び特別活動の時間を統合した「コミュニケーションタイム」を新設し、話し合い、共に協力しあいながら、自分達のやりたいことを実現していく方法等を学ばせる。 |
京都市立洛友中学校(平成19年4月開校) | 京都市教育委員会 | 京都府京都市 | 学齢超過の義務教育未修了者を対象とする二部学級を設置する中学校。二部学級の生徒とのふれあい等を通して,学習意欲向上と集団への適応を目指す。 |
NHK学園高等学校(平成20年4月開校) | 学校法人NHK学園 | 東京都国立市 | 「生活実習」や「職業技術科目」等により、実習・体験型の学習による達成経験の積み重ねなどを通じて、生徒の社会性や自立性の育成、活動意欲や学習意欲の向上を促す。 |
星槎名古屋中学校 (平成24年4月開校) | 学校法人国際学園 | 愛知県名古屋市 | 「基礎学力」及び「社会に適応する能力」向上を目指した特別な教育課程を編成し、指導を行う。また、生徒の興味や関心、適性をふまえた学習意欲を高めるための指導を充実するために特別な教育課程を編成し、指導を行う。 |
星槎もみじ中学校 (平成26年4月開校) | 学校法人国際学園 | 北海道札幌市 | 「ベーシック」及び「ソーシャルスキルトレーニング」を教育課程に位置付け、個々の生徒の学習の到達度に合わせた指導を行うとともに、人間関係の構築に必要なスキルを重点的に指導することにより、「基礎学力」及び「社会に適応する能力」の向上を目指す。 |
西濃学園中学校 (平成29年4月開校) | 学校法人西濃学園 | 岐阜県揖斐郡 | 「コラボレイト」を新しく教育課程に位置付け、国語、社会及び総合的な学習の時間を融合した授業を実施する。寮を持つ学校であり、学習及び生活指導を一貫して行う。 |
調布市立第七中学校はしうち教室(平成30年4月開校) | 調布市教育委員会 | 東京都調布市 | 体験活動等で考えたこと等を、各教科で身に付けた力を活用し生徒の得意とする手法で独創的に表現する「表現科」や、不登校による未学習部分を補うため、一人一人の状況に合わせ学習を行う「個別学習」の時間を新しく教育課程として位置付ける。 |
東京シューレ江戸川小学校 (令和2年4月開校) | 学校法人東京シューレ学園 | 東京都江戸川区 | 「いろいろタイム」を教科として新設し、自然体験や文化体験等の体験活動を通じて、児童の学習意欲の向上や自主性・創造性・社会性の育成を目指す。 |
福生市立福生第一中学校 (令和2年4月開校) | 福生市教育委員会 | 東京都福生市 | 「プロジェクト学習」を教科として新設し、各教科を横断的・合科的に扱い、自分が興味を持ったことについて自ら探究し、自分なりの答えにたどり着くことにより、探究し続けられる力や自発的に行動する力の育成を目指す。 |
星槎高等学校 (平成18年4月開校/令和2年4月指定) | 学校法人国際学園 | 神奈川県横浜市 | 「個別の指導計画」を作成し、一人一人の特性に応じた支援を行うとともに、学校設定教科「星槎の時間」「SST」「労作」を設定し、社会で活躍する基礎力の養成を目指す。 |
岐阜市立草潤中学校 (令和3年4月開校) | 岐阜市教育委員会 | 岐阜県岐阜市 | 「セルフデザイン」を教科として新設し、音楽、美術、技術・家庭科において各自テーマを設定して発展的な学習を行い、生徒の個性を伸ばしつつ自己肯定感の育成を目指す。 |
大田区立御園中学校(令和3年4月開校) | 大田区教育委員会 | 東京都大田区 | 「キャリア教育」を新設し、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力の育成を目指す。 |
宮城県富谷市立富谷中学校(令和4年4月開校) | 富谷市教育委員会 | 宮城県富谷市 | 不登校生徒が自らのテーマを設定し、探究的な学習ができるよう、総合的な学習の時間の充実を図り、自分が興味ある分野を追究し、生徒同士で発表し合うことで、自己肯定感や信頼感を高める。 |
大和市立引地台中学校(令和4年4月開校) | 大和市教育委員会 | 神奈川県大和市 | 「教養科」を教科として新設し、各教科等を横断的に取り扱った学習内容や、体験的な学習を多く取り入れ、幅広い教養を身に付け、不登校生徒が将来に向けての社会的自立につなげるための資質・能力を育成する。 |
三豊市立高瀬中学校(令和4年4月開校) | 三豊市教育委員会 | 香川県三豊市 | 個別学習の時間や夜間中学校という特色を活かして外国人生徒や異なる年代の生徒と交流する時間を設けることで、社会的に自立できることを目指す。 |
世田谷区立世田谷中学校(令和4年4月開校) | 世田谷区教育委員会 | 東京都世田谷区 | 「キャリアデザイン学習」を教科として新設し、生徒それぞれの得意な分野や好きな分野について学びを深めるとともに、協働的な学びを通じて、個性の伸長と探究心の充実、コミュニケーション能力の育成、幅広い視野等の育成を目指す。 |
白石市立白石南小学校・白石市立白石南中学校 (令和5年4月開校) | 白石市教育委員会 | 宮城県白石市 | 個々の「学び残し」や「つまづき」について重点的に指導を行う「白石タイム」や自らの得意や興味・関心に基づいて課題を設定し、探究的に学ぶ「夢スタジオ」を教科として新設し、学習に関する不安を取り除くとともに、社会性の育成・向上を目指す。 |
大和郡山市立郡山北小学校 分教室「ASU」 (令和5年4月開校) | 大和郡山市教育委員会 | 奈良県大和郡山市 | 不登校児童生徒の学習の場として、学科指導教室「ASU」を設置し、学年を超えた習熟度別指導、児童生徒の興味・関心に応じた多様な体験活動などを行う。 |
大和郡山市立郡山中学校 分教室「ASU」 (令和5年4月開校) | 大和郡山市教育委員会 | 奈良県大和郡山市 | 不登校児童生徒の学習の場として、学科指導教室「ASU」を設置し、学年を超えた習熟度別指導、児童生徒の興味・関心に応じた多様な体験活動などを行う。 |
ろりぽっぷ学園小学校 (令和5年4月開校) | 学校法人ろりぽっぷ学園 | 宮城県仙台市 | 一人一人の学習進度に合わせた学習を行う時間を充実させつつ、協働的な学びの時間を確保することで、個別最適化した学びを提供しつつ、コミュニケーション能力の向上を目指す。 |
まとめ
不登校特例校は通常の学校に通うことが難しい状況にある生徒たちに対して学習や支援を提供する教育機関です。全国に設置されており、各地域でさまざまな取り組みが行われています。
不登校特例校は個別のカリキュラムやサポート体制を持ち、生徒たちの学びや成長を支える場となっています。具体的な場所や詳細な情報については、各校の公式ホームページや教育機関への問い合わせをおすすめします。